「ウチの若手、管理職になりたがらないんだよな…」
経営者や人事の皆さまとお話ししていると、こんな悩みを頻繁に耳にします。
かつては出世の象徴だったはずの「管理職」というポジションが、いつしか「罰ゲーム」とまで揶揄されるようになってしまいました。
このネガティブなイメージは、単なる若者の意識変化だけでは片付けられません。
実際に、様々な調査で「管理職になりたくない」という回答がマジョリティとなっています。

その理由として挙げられるのは、「重すぎる責任」「増える業務量と長時間労働」、そして「見合わない報酬」という、極めて現実的な問題です。
働き方改革によって部下の残業は減ったものの、そのしわ寄せが管理職に集中し、結果的に業務が肥大化・複雑化しています。
責任と負担だけが増え、待遇が見合わない「コスパの悪さ」を感じる人が増えるのも無理はありません。
では、この「管理職罰ゲーム化」という根深い問題を、企業はどう乗り越えていくべきか。
待遇改善はもちろん重要ですが、それだけでは根本的な解決には至りません。
上記に挙げた書籍でも既に一定の解決策が提案されていますが、本記事では、比較的筆者が支援する中で有効打として挙げられている「若手時代からの段階的なマネジメント経験の付与」と「管理職の役割の分担・分業」に焦点を当て、先進的な企業の事例を交えながら、その具体的な処方箋を探っていきます。