日本企業がここ数年ジョブ型に急激に傾倒してますが、実は「アメリカでは1990年代にすでにジョブ型の終焉や限界が提唱されていた」という事実はご存じでしょうか。
経営書『ジョブシフト(Job Shift)』(ウィリアム・ブリッジズ著、1994年)などが「仕事の単位としてのジョブの終焉」を説くなど、「ジョブ型」は本質的に環境変化への対応力が弱く、必ずしも今の時代にフィットしないのではないか、と指摘していたのです。
ところが日本では、あたかもジョブ型が魔法の解決策のように扱われる風潮があり、その矛盾に戸惑いを感じています。
今回は、なぜ90年代に「ジョブ型の限界」が唱えられながら、今の日本企業は逆にジョブ型へ駆り立てられているのか――背景とその本質を探ってみたいと思います。